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おしゃれなリビングの仏壇配置|間取りと実例で解説

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「リビングに仏壇を置きたいけれど、インテリアに合わないかも…」「和室や仏間がないけど、どこに置けばいいの?」


新築やリフォーム、あるいはご家族から仏壇を引き継ぐタイミングで、このように悩んでいる方は少なくありません。

故人を身近に感じ、毎日手を合わせられる場所として、リビングは仏壇の置き場所として最適な選択肢の一つです。


しかし、伝統的な仏壇は現代のリビングの雰囲気に馴染みにくいことも事実。

大切なのは、従来の形式にとらわれず、ご自身のライフスタイルやインテリアに合わせた「祈りの空間」を作ることです。


この記事では、仏壇に関する専門知識を持つプロの視点から、リビングにおしゃれに仏壇を配置するための具体的な方法を、間取りやインテリアの実例を交えながら分かりやすく解説します。

基本的なルールや注意点も網羅しているので、仏壇の置き場所にお悩みの方はぜひ参考にしてください。


リビングでの仏壇の置き場所おすすめ5選


現代の住宅では、リビングに仏壇を置くケースが非常に増えています。

ここでは、リビングの間取りを活かした、おすすめの仏壇の置き場所を5つご紹介します。


リビングボードやサイドボードの上


最も手軽で人気なのが、リビングボードやサイドボードの上に置く方法です。

すでにある家具の上を活用するため、新たにスペースを確保する必要がありません。


コンパクトなモダン仏壇を選べば、まるでインテリアオブジェのように自然に空間に溶け込みます。家具の色や素材と仏壇のデザインを合わせることで、部屋全体に統一感が生まれます。

ただし、お線香やロウソクの火を扱う際は、火災の危険がないよう、上に棚などがないか十分に確認しましょう。


部屋のコーナー部分の活用


部屋の角(コーナー)は、デッドスペースになりがちな場所を有効活用できるおすすめの配置場所です。


リビングの中でも人の往来が少なく、壁に囲まれているため、自然と落ち着いた雰囲気が生まれます。

ソファやテレビなど、リビングの主役となる家具の邪魔をせず、静かにお参りできる空間を作りやすいのがメリットです。

コーナー専用の仏壇台や、角にぴったり収まるデザインの家具を選ぶと、よりスッキリと見せることができます。


造作棚や壁面収納(ニッチ)


新築やリフォームを計画しているなら、造作棚や壁面収納(ニッチ)が最もおすすめです。


壁の厚みを利用して仏壇を置くスペースを設ける「ニッチ」は、出っ張りがなく空間を圧迫しません。また、リビングの収納棚の一部を仏壇スペースとして設計する「造作家具」は、デザインの自由度が高く、インテリアとの完璧な調和が実現できます。

計画段階でコンセントを設置しておけば、照明付きの仏壇もスマートに置くことができます。


スタンドタイプの専用台


仏壇を置くための専用台(仏壇下台)を使う方法もあります。

特に、床に直接座ってお参りするのではなく、椅子に座ってお参りするスタイルにしたい場合に適しています。


仏壇本体とセットでデザインされた専用台を選べば、高さやデザインのバランスが良く、美しい祈りの空間が完成します。

収納付きのタイプを選べば、お線香や数珠などの仏具をまとめてしまっておけるので便利です。


クローゼットや収納スペース内部


「来客時には仏壇を見えないようにしたい」という方には、クローゼットや奥行きのある収納スペースの内部に設置する方法も選択肢の一つです。


普段は扉を閉めておくことで、リビングの生活感を保ちつつ、お参りする時だけ扉を開けて静かな祈りの空間を作ることができます。

この場合、湿気がこもらないように定期的な換気を心がけることや、ロウソクやお線香の火の取り扱いには細心の注意が必要です。



インテリア別おしゃれな配置レイアウト実例


仏壇を「隠す」のではなく、「見せる」インテリアとして楽しむのも現代のスタイルです。

ここでは、人気のインテリアスタイル別に、おしゃれな配置レイアウトのコツをご紹介します。


モダンインテリアに溶け込む配置


直線的でシンプルなモダンインテリアには、家具のようなデザインの仏壇が最適です。


光沢のある素材や、ダークブラウン、ブラック、ホワイトといったモノトーンカラーの仏壇を選ぶと、スタイリッシュな空間によく馴染みます。

仏壇の周りには余計なものを置かず、小さな一輪挿しやデザイン性の高い仏具をアクセントにすると、洗練された祈りのスペースが完成します。


北欧インテリアに馴染む木の温もり


明るい木材や優しい色合いが特徴の北欧インテリアには、木の温もりを感じる仏壇がおすすめです。


オーク材やメープル材など、白木に近いナチュラルな素材の仏壇を選びましょう。

仏壇の横に観葉植物を置いたり、北欧デザインの小さなファブリックパネルを飾ったりすると、温かみのある優しい空間になります。


ナチュラルインテリアと調和させる


自然素材を多用したナチュラルインテリアには、素材感を活かした仏壇がぴったりです。


無垢材を使った仏壇や、アースカラーで仕上げられた仏壇は、リネンやコットンの素材感とも相性抜群です。

仏壇周りも、ドライフラワーや素焼きの小物など、自然を感じるアイテムでコーディネートすると、心地よい癒やしの空間が生まれます。


和モダンで静謐な空間を演出


和の要素と現代的なデザインを融合させた和モダン空間には、デザイン性の高い仏壇が映えます。


格子デザインを取り入れた仏壇や、和紙をアクセントに使った仏壇などは、上質で落ち着いた雰囲気を醸し出します。

間接照明で仏壇の周りを柔らかく照らすと、より静謐で特別な祈りの空間を演出できるでしょう。



間取りで見るリビングの仏壇配置パターン


ここでは、具体的な間取りを想定して、リビングに仏壇を配置する際のポイントや注意点を解説します。


LDK一体型の間取りでの配置例


LDKが一体となった間取りでは、リビングエリアの壁際に置くのが一般的です。


キッチンからの油煙や匂いが直接当たらない場所を選びましょう。

また、ダイニングテーブルからも自然と目に入る場所に置くと、食事の際に故人を偲ぶことができ、家族の繋がりを感じやすくなります。


リビング階段横のスペース活用


リビング階段の横にある壁面や踊り場下のスペースも、仏壇の配置場所として活用できます。ただし、人の昇り降りが激しい場所なので、落ち着いてお参りできるかどうかがポイントになります。


壁際にコンパクトな台を設置するなど、動線を妨げない工夫をしましょう。


テレビボードと並べて置く際の注意点


テレビボードの横に仏壇を置くレイアウトもよく見られます。

この場合、テレビと仏壇がごちゃごちゃして見えないように注意が必要です。


  • 高さを揃える: テレビボードと仏壇を置く台の高さを揃えると、スッキリとした印象になります。


  • 少し距離を離す: テレビのすぐ隣ではなく、少し間隔を空けて観葉植物などを間に置くと、それぞれの領域が区切られ、落ち着いた雰囲気になります。


  • 視線を意識する: テレビを見ている時に仏壇が常に視界の端に入るのが気になる場合は、避けた方が良いかもしれません。


ソファの正面や目線に入る場所の配置


ソファに座った時に、自然と目線に入る正面の壁などに配置すると、故人を常に身近に感じることができます。これは、毎日手を合わせる習慣をつけやすいという大きなメリットがあります。


一方で、来客時に相手の視線が気になる可能性も考えられます。

ご自身のライフスタイルや、来客の頻度などを考慮して決めると良いでしょう。



仏壇の向きと置き場所の基本ルールQ&A


仏壇を置くにあたり、昔ながらの作法やルールが気になる方も多いはず。ここでは、よくある疑問にQ&A形式でお答えします。


仏壇を置く向きに決まりはあるか?


A. 厳密な決まりはありませんが、一般的に良いとされる向きはあります。


仏壇の向きには諸説ありますが、代表的なものは以下の通りです。


  • 南方北座(なんぽうほくざ): 仏壇を北側に置き、南を向ける配置。直射日光が当たらず、風通しも良いとされるため、仏壇が傷みにくい合理的な向きです。


  • 西方東座(さいほうとうざ): 仏壇を東側に置き、西を向ける配置。阿弥陀如来がいるとされる西方浄土に向かってお参りできるという考え方です。


  • 本山中心説(ほんざんちゅうしんせつ): ご自身の宗派の総本山がある方角に向かってお参りできるように配置する考え方です。


しかし、最も大切なのは、お参りする人の気持ちと、毎日手を合わせやすい場所であることです。現代の住宅事情では方角にこだわるのが難しい場合も多いため、あまり神経質にならず、家族が自然と集まるリビングの最適な場所を選びましょう。


神棚と仏壇を同じ部屋に置く場合?


A. 同じ部屋に置いても問題ありませんが、配置に注意が必要です。


神様とご先祖様を同じ部屋にお祀りすることは、二重の守りを得られるとされ、問題ありません。

ただし、以下の点に注意しましょう。


  • 向かい合わせにしない: どちらかにお参りする際に、もう一方にお尻を向けてしまうため、避けるべきとされています。


  • 上下に置く場合は神棚を上に: 神棚と仏壇を同じ壁面の上下に設置する場合は、必ず神棚が上になるように配置します。


2階や人の真上になる場所に置いても良いか?


A. 現代の住宅では問題ないとされています。


かつては「仏様(ご先祖様)を踏みつけることになる」という理由から、人がよく通る場所の上(例:1階の仏壇の真上が2階の廊下や部屋)に仏壇を置くのは避けるべきとされていました。


しかし、マンションや2階建て以上の家が一般的な現代では、このルールを守るのは困難です。

気になる場合は、仏壇の上の天井に「空」「雲」「天」などと書いた紙を貼ることで、「この上には何もありません」という意味になり、丁寧な祀り方になるとされています。


直射日光やエアコンの風が当たる場所?


A. 避けるべきです。これは宗教的な理由ではなく、仏壇を長持ちさせるためです。


木材で作られている仏壇は、直射日光や湿気、乾燥に非常に弱いです。


  • 直射日光: 紫外線による日焼けや変色、塗装の劣化、木の反りや割れの原因になります。


  • エアコンの風: 急激な温度変化や乾燥を引き起こし、木材のひび割れや金箔の剥がれにつながります。


大切な仏壇を長くきれいに保つためにも、これらの場所は避けて設置しましょう。



リビングに合うおしゃれな仏壇の選び方


最近では、リビングのインテリアに調和する「モダン仏壇」や「家具調仏壇」が主流になっています。

ここでは、リビングに合うおしゃれな仏壇の選び方をご紹介します。


家具にしか見えないモダン仏壇


一見すると、高級なオーディオやキャビネットにしか見えないデザインの仏壇が増えています。

扉を閉めれば仏壇とは分からず、リビングの雰囲気を損なうことがありません。

素材や色、デザインのバリエーションが非常に豊富なので、ご自宅のインテリアにぴったりの一台がきっと見つかります。


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省スペースなコンパクト仏壇・ミニ仏壇


リビングボードの上や小さな棚にも置ける、高さ30~50cm程度のコンパクトな仏壇も人気です。

サイズは小さくても、ご本尊やお位牌を安置するスペースは十分に確保されています。

一人暮らしの部屋や、大きな仏壇を置くスペースがない場合に最適です。

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壁掛けタイプで空間を有効活用


壁に掛けて設置するタイプの仏壇は、床や棚のスペースを一切必要としない新しい選択肢です。

まるで絵画を飾るように、祈りの空間を作ることができます。

目線の高さに設置できるため、立ったまま楽な姿勢でお参りできるのもメリットです。


インテリアに合わせた素材と色の選び方


仏壇を選ぶ際は、床材やドア、既存の家具の色と合わせるのが基本です。


  • 統一感を出す: ウォールナット調の家具が多いならウォールナットの仏壇、オーク材の床ならオーク材の仏壇を選ぶと、空間にまとまりが生まれます。


  • アクセントにする: あえて対照的な色(例:白い壁にダークカラーの仏壇)を選び、インテリアのアクセントとして際立たせるのもおしゃれな方法です。



新築・リフォームで考える仏壇スペース


これから家づくりを始める方は、設計段階で仏壇スペースを計画に含めることで、より理想的な祈りの空間を実現できます。


壁を凹ませて作る壁面ニッチ


壁の一部を凹ませて作る「ニッチ」は、仏壇をスッキリと美しく見せるための最適な方法です。

仏壇の奥行きに合わせて設計すれば、壁面がフラットになり、空間を圧迫しません。

上部にダウンライトを仕込むと、より神聖な雰囲気を演出できます。


リビング収納と一体化した造作家具


テレビボードやリビングの壁面収納と一体で仏壇スペースを設計する「造作家具」も人気です。

デザインや素材を統一することで、仏壇だけが浮いて見えることがなく、洗練されたインテリアが完成します。


扉付きで来客時に隠せる工夫


造作家具に扉を付ければ、来客時など、必要に応じて仏壇を隠すことができます。

普段はオープンにしておき、シーンに合わせて使い分けられる柔軟性が魅力です。

扉のデザインを壁や他の収納と揃えることで、閉めている時はそこに仏壇があるとは気づかれないほど自然に仕上がります。


現代の住宅に合うモダンな仏間


従来の暗くて閉鎖的な「仏間」のイメージを覆す、リビングの一角に設ける明るくオープンな「祈りのスペース」という考え方も広がっています。

地窓から光が差し込むようにしたり、間接照明を取り入れたりすることで、家族が自然と集まりたくなるような心地よい空間を作ることができます。



まとめ


今回は、リビングにおしゃれに仏壇を配置する方法について、置き場所のアイデアからインテリア実例、基本ルールまで詳しく解説しました。


最後に、この記事のポイントをまとめます。


  • 置き場所: リビングボードの上や部屋のコーナー、造作棚などがおすすめ。


  • レイアウト: モダン、北欧など、ご自宅のインテリアスタイルに合わせて仏壇のデザインや小物をコーディネートする。


  • 基本ルール: 向きや方角に厳密な決まりはない。直射日光とエアコンの風は避ける。


  • 仏壇選び: 家具のようなモダン仏壇やコンパクトなミニ仏壇など、リビングに合う選択肢は豊富。


  • 新築・リフォーム: 設計段階でニッチや造作家具を計画すると、理想の祈りの空間が作れる。


リビングに仏壇を置くことは、故人やご先祖様をより身近に感じ、日々の暮らしの中で感謝の気持ちを伝える素晴らしい方法です。

最も大切なのは、形式にこだわりすぎず、家族が「毎日自然と手を合わせたくなる場所」を作ることです。


この記事が、あなたとご家族にとって最高の祈りの空間づくりの一助となれば幸いです。



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