犬の風邪の症状とは?うつる?治し方と病院へ行く目安
- 7月15日
- 読了時間: 10分

「最近、愛犬が咳やくしゃみをしている…」「いつもより元気がないけど、これって風邪?」
家族の一員である愛犬の体調が悪いと、とても心配になりますよね。
人間の風邪に似た症状が見られると、何が原因なのか、どう対処すればいいのか、他の犬や家族にうつるのではないかと不安になる飼い主さんは少なくありません。
この記事では、犬の病気に関する知識に不安を感じている飼い主さんに向けて、「犬の風邪」の正体から具体的な症状、自宅でできるケア、動物病院へ行くべき危険なサインまで、分かりやすく解説します。
愛犬のつらい症状を和らげ、一日も早く元気を取り戻すために、ぜひ最後までお読みください。
犬の風邪の症状チェックリスト
「犬も風邪をひくの?」と疑問に思うかもしれませんが、犬も人間と同じように風邪に似た症状を示すことがあります。
ただし、医学的に「犬の風邪」という特定の病名はなく、一般的にはウイルスや細菌による呼吸器系の感染症を総称して「犬風邪(いぬかぜ)」と呼ばれています。
愛犬に以下のようなサインが見られないか、チェックしてみましょう。

咳・くしゃみ・鼻水
犬の風邪で最も分かりやすい初期症状が、咳・くしゃみ・鼻水です。
咳
「コンコン」「ケンケン」といった乾いた咳や、「ゴホッゴホッ」と痰が絡んだような湿った咳をします。咳が続くと体力を消耗し、吐き気を催すこともあります。
くしゃみ
人間と同じように「クシュン!」とくしゃみを連発します。
鼻水
最初は水のようにサラサラした透明な鼻水ですが、症状が進行すると黄色や緑色のネバネバした鼻水に変わることがあります。

発熱・元気消失・食欲不振
呼吸器症状に加えて、全身の不調が見られることも少なくありません。
犬の平熱は約38.0℃~39.0℃と人間より少し高めです。
耳の付け根や足の付け根を触って普段より熱く感じたり、呼吸が荒くなったりしている場合は、発熱している可能性があります。
熱が出ると、体がだるくなり、以下のような元気消失のサインが見られます。
大好きなおもちゃで遊ばない
飼い主さんが帰宅しても出迎えない
散歩に行きたがらない
食欲がなく、ごはんや水を飲まない
ぐったりしている・震え
症状が進行すると、ぐったりして動かなくなり、小刻みに震えることがあります。
これは発熱や体力の消耗、体の痛みなどが原因と考えられます。
愛犬がぐったりしている場合は、症状が重くなっているサインかもしれません。

目の充血や目やに
風邪の症状として、結膜炎を併発し、目が赤く充血したり、目やにが増えたりすることもあります。
涙目になったり、目をしょぼしょぼさせたりする様子が見られたら注意が必要です。
犬の風邪は他の犬や人間にうつる?
「この子の風邪、他の子や人間にうつらないかな?」というのは、飼い主さんにとって大きな心配事の一つです。
感染のリスクについて正しく理解しておきましょう。
犬同士の感染力と感染経路

結論から言うと、犬の風邪は他の犬にうつります。
原因となるウイルスや細菌は、感染した犬の咳やくしゃみによる飛沫(ひまつ)や、鼻水などの分泌物が付着したおもちゃや食器を介して他の犬に感染します。
特に、ドッグランやペットホテル、トリミングサロンなど、多くの犬が集まる場所では感染が広がりやすい傾向があります。
人間への感染リスクは低い
「犬の風邪は人間にうつる?」という心配については、基本的にそのリスクは極めて低いと考えてよいでしょう。
犬の風邪の原因となるウイルスのほとんどは、人には感染しません。
同様に、人間の風邪の原因ウイルスが犬に感染することも稀です。
ただし、飼い主さんが体調を崩していると、愛犬のお世話が十分にできなくなり、結果的に愛犬の免疫力が低下してしまう可能性はあります。
多頭飼育での隔離と対策
多頭飼いの場合、1頭が風邪をひくと他の犬に感染する可能性が非常に高くなります。
症状が見られた犬は、他の犬との接触を避けるために、できるだけ別の部屋で過ごさせるなどの隔離措置をとりましょう。
食器や水飲みボウル、おもちゃ、タオルなどを共有しない
寝床やケージを離す
症状のある犬を触った後は、必ず手を洗ってから他の犬を触る
これらの対策を徹底し、家庭内での感染拡大を防ぎましょう。
自宅でできる応急処置と治し方
愛犬に風邪の症状が見られたとき、動物病院へ行く前に自宅でできるケアもあります。
ただし、これらはあくまで症状を緩和するための対症療法であり、根本的な治し方ではありません。
症状が改善しない場合は、必ず獣医師の診察を受けてください。
安静にできる環境作り
体力を消耗させないために、まずはゆっくりと休める環境を整えてあげることが最も重要です。
普段使っているケージやクレート、お気に入りのベッドなどを静かな場所に置き、安心して眠れるように配慮しましょう。
部屋の保温と湿度管理
体が冷えると免疫力が低下しやすくなるため、部屋を暖かく保ちましょう。
室温の目安は20~25℃程度です。
冬場はペットヒーターや毛布を活用するのも良いでしょう。
また、空気が乾燥していると咳が出やすくなります。
加湿器を使ったり、濡らしたタオルを部屋に干したりして、湿度を50~60%程度に保つと、呼吸が楽になります。
水分補給と消化に良い食事
発熱や食欲不振は脱水症状を引き起こす危険があるため、水分補給は非常に大切です。
いつでも新鮮な水が飲めるようにしておきましょう。
食欲がない場合は、ドライフードをお湯でふやかして匂いを立たせたり、消化の良いウェットフードや鶏のささみを茹でたものを少量トッピングしたりするのも効果的です。
散歩や運動は症状が改善するまで控える
体調が悪いときの散歩や激しい運動は、体力をさらに消耗させるだけでなく、他の犬に病気をうつしてしまうリスクもあります。
症状が完全に改善するまでは、散歩はごく短時間で済ませるか、完全に控えるようにしましょう。
動物病院へ行くべき危険なサイン
自宅でのケアで様子を見ていても、症状が悪化する場合もあります。
以下のような危険なサインが見られたら、自己判断せずにすぐに動物病院を受診してください。
呼吸が速い・苦しそう
安静にしているのに呼吸が速い、ゼーゼーという音がする、舌の色が青紫色になっている(チアノーゼ)などの場合は、肺炎など重篤な状態に陥っている可能性があります。
これは緊急事態ですので、夜間や休日であっても救急対応の動物病院へ連絡してください。
高熱が続く・ぐったりして動かない
熱が下がらず、ぐったりして全く動かない、呼びかけにも反応が鈍いといった場合は、体が限界に近いサインです。
体力が著しく消耗しているため、点滴などの処置が必要になることがあります。
食欲がなく水分もとらない
丸1日以上ごはんを食べず、水も全く飲まない状態が続くと、脱水症状や低血糖を起こす危険があります。
特に子犬や小型犬では命に関わることもあるため、早急な対応が必要です。
子犬・老犬・持病のある犬の場合
子犬や老犬、心臓病や腎臓病などの持病がある犬は、免疫力が低いため重症化しやすい傾向にあります。
成犬であれば軽症で済むような風邪でも、一気に体調が悪化することが少なくありません。これらの犬の場合は、軽い症状であっても早めに動物病院へ相談することをおすすめします。
風邪と間違いやすいケンネルコフとの違い
犬の咳の症状で、特に注意したいのが「ケンネルコフ」です。一般的な風邪と症状が似ていますが、異なる点も多くあります。
ケンネルコフとは
ケンネルコフとは、複数のウイルスや細菌が関与して起こる、伝染性の非常に高い呼吸器感染症の総称です。「犬伝染性気管気管支炎」とも呼ばれます。ペットショップやブリーダー、保護施設など、子犬が多く集まる環境で発生しやすいため、この名前が付きました。
特徴的な咳の音で見分ける
ケンネルコフの最も特徴的な症状は、「ガーガー」「ゲーゲー」という、まるでガチョウの鳴き声のような乾いた激しい咳です。喉に何かが詰まったかのように、嘔吐するような仕草を見せることもあります。この特徴的な咳が続く場合は、ケンネルコフの可能性が高いでしょう。
原因と感染力の違い
一般的な犬の風邪は、単一のウイルスや細菌が原因であることが多いのに対し、ケンネルコフは「犬パラインフルエンザウイルス」「犬アデノウイルス2型」「気管支敗血症菌」など、複数の病原体が複合的に感染して発症します。
そのため、感染力が非常に強く、あっという間に他の犬に広がってしまうのが大きな違いです。
ケンネルコフの原因となるウイルスの一部は、混合ワクチンで予防が可能です。
犬の風邪の主な原因と治療法
犬の風邪はなぜ起こるのでしょうか。
その原因と、動物病院で行われる一般的な治療について解説します。
原因となるウイルスや細菌
犬の風邪の主な原因は、以下のようなウイルスや細菌への感染です。
犬パラインフルエンザウイルス
犬アデノウイルス2型
犬ヘルペスウイルス
気管支敗血症菌(細菌)
マイコプラズマ(細菌)
これらの病原体が、鼻や喉の粘膜に感染することで炎症が起こり、咳やくしゃみなどの症状を引き起こします。
寒暖差やストレスによる免疫力低下
季節の変わり目などの急な寒暖差や、引っ越し、ペットホテルへの宿泊、家族構成の変化といった環境の変化によるストレスは、犬の免疫力を低下させる大きな要因です。
免疫力が落ちていると、通常であれば問題にならないようなウイルスや細菌にも感染しやすくなってしまいます。
動物病院での一般的な治療と検査
動物病院では、まず飼い主さんから症状や状況を詳しく聞き取り(問診)、聴診や体温測定などの身体検査を行います。
症状が重い場合や肺炎が疑われる場合は、レントゲン検査や血液検査を行い、原因を特定します。
処方される薬の種類
犬の風邪の治療は、症状を和らげる対症療法が中心となります。
【抗生物質】
細菌による二次感染を防ぐために処方されます。
【咳止め(鎮咳薬)】
つらい咳を和らげ、体力の消耗を防ぎます。
【気管支拡張薬】
気管支を広げ、呼吸を楽にします。
【抗炎症薬】
喉の痛みや炎症を抑えます。
これらの薬を服用させながら、自宅で安静にして回復を待つのが一般的な治療の流れです。
犬の風邪に関するよくある質問
最後に、犬の風邪に関して飼い主さんからよく寄せられる質問にお答えします。
人間用の風邪薬を飲ませてもいい?
絶対にやめてください。人間用の風邪薬には、犬にとって有毒な成分(アセトアミノフェンなど)が含まれていることがあり、急性中毒を起こして命に関わる危険があります。
薬は必ず獣医師の診断のもと、犬用に処方されたものを与えてください。
治るまでの期間はどのくらい?
体力のある成犬で症状が軽ければ、通常1~2週間程度で回復に向かいます。
ただし、子犬や老犬、他の病気を持っている犬の場合は、回復に時間がかかったり、重症化したりすることもあります。
症状が長引く場合は、再度動物病院を受診しましょう。
日常生活でできる予防法
犬の風邪を予防するために最も大切なのは、免疫力を高く保つことです。
ワクチン接種
ケンネルコフなどの原因となる感染症は、混合ワクチンで予防できます。定期的な接種を心がけましょう。
バランスの取れた食事と適度な運動
健康な体作りの基本です。
ストレスのない環境
安心して過ごせる環境を整えましょう。
適切な温度・湿度管理
特に季節の変わり目は、室内の環境に気を配りましょう。
まとめ
愛犬が風邪をひいたときの症状や対処法について解説しました。
最後に、大切なポイントを振り返りましょう。
犬の風邪のサイン
咳、くしゃみ、鼻水、発熱、元気・食欲の低下などが見られる。
感染について
犬同士ではうつるが、人間への感染リスクは低い。
自宅でのケア
安静、保温・保湿、水分補給が基本。ただし、症状が改善しない場合は過信しない。
病院へ行くべきサイン
呼吸が苦しそう、高熱が続く、ぐったりしている、水分をとらない場合はすぐに受診する。
自己判断は禁物
人間用の薬は絶対に与えず、少しでも様子がおかしいと感じたら、かかりつけの動物病院に相談することが最も安全で確実な方法です。

愛犬は自分で「体調が悪い」と話すことができません。
日頃から様子をよく観察し、小さな変化に気づいてあげることが、病気の早期発見・早期治療につながります。
この記事が、あなたと愛犬の健やかな毎日のために役立てば幸いです。
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