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犬のワクチンガイド 種類・値段・スケジュール・副作用


新しく家族に迎えた愛犬との生活、楽しみでいっぱいですよね。

しかし、犬を初めて飼う方にとって「ワクチン接種」は、種類やスケジュール、費用など、分からないことが多くて不安に感じるかもしれません。


この記事では、そんなあなたの疑問や不安に一つひとつお答えします。

なぜワクチンが必要なのかという基本から、混合ワクチンの選び方、具体的な接種スケジュール、値段の目安、そして気になる副反応まで、網羅的に解説します。


この記事を読めば、安心して動物病院へ行き、獣医師と相談しながら愛犬に最適なワクチンを選べるようになります。

大切な愛犬の健康を守るための第一歩を、ここから始めましょう。

犬のワクチン接種が必要な3つの理由


「そもそも、なぜ犬にワクチンが必要なの?」と疑問に思う方もいるでしょう。

犬のワクチン接種は、単に病気を防ぐだけでなく、愛犬と社会全体を守るために非常に重要です。

ここでは、ワクチン接種が必要な3つの大きな理由を解説します。


致死的な感染症から愛犬を守るため


犬のワクチンは、命に関わる恐ろしい感染症から愛犬を守るために不可欠です。

特に子犬は母親からの免疫が徐々に失われるため、感染症にかかりやすく、重症化するリスクが非常に高くなります。


例えば、犬ジステンパーウイルス感染症や犬パルボウイルス感染症は、治療が難しく、命を落とす可能性が高い病気です。

ワクチンを接種することで、これらの病気に対する免疫を獲得し、万が一感染しても発症を防いだり、症状を軽くしたりする効果が期待できます。


他の犬や人への感染拡大を防ぐため


ワクチン接種は、他の犬や、場合によっては人間への感染拡大を防ぐという社会的な責任を果たす意味もあります。


ワクチンで予防できる病気の中には、他の犬に簡単にうつってしまうものが多くあります。また、「レプトスピラ症」のように、犬から人へも感染する「人獣共通感染症(ズーノーシス)」も存在します。

愛犬が感染源とならないためにも、予防接種は非常に重要です。


ドッグランやペットホテルの利用に必要


多くのドッグラン、ペットホテル、トリミングサロンなどの施設では、利用条件としてワクチン接種証明書の提示が求められます。

これは、施設に集まるたくさんの犬たちの間で感染症が広がるのを防ぐためです。


ワクチンを接種していないと、これらのサービスを利用できず、愛犬との行動範囲が狭まってしまう可能性があります。

愛犬とのお出かけや旅行を存分に楽しむためにも、ワクチン接種は必須と言えるでしょう。



犬のワクチンの種類と値段の目安


犬のワクチンには、法律で義務付けられている「狂犬病ワクチン」と、飼い主の任意で接種する「混合ワクチン」の2つがあります。混合ワクチンはさらに、すべての犬に接種が推奨される「コアワクチン」と、生活環境に応じて選択する「ノンコアワクチン」に分けられます。


ここでは、それぞれのワクチンの種類と値段の目安について詳しく見ていきましょう。


コアワクチン(接種必須のワクチン)


コアワクチンとは、世界中で発生しており、感染すると命に関わる可能性が高い病気を予防するためのワクチンです。

生活環境にかかわらず、すべての犬に接種が強く推奨されています。


  • 犬ジステンパーウイルス感染症

発熱、咳、鼻水、下痢、神経症状(けいれんなど)を引き起こし、致死率が非常に高い病気です。


  • 犬パルボウイルス感染症

激しい嘔吐や血便を伴う下痢が特徴で、特に子犬では急激に症状が進行し、命を落とすことが多い危険な病気です。


  • 犬アデノウイルス(2型)感染症

「ケンネルコフ」と呼ばれる呼吸器感染症の原因の一つです。重症化すると肺炎を引き起こすことがあります。


ノンコアワクチン(生活環境で選択)


ノンコアワクチンとは、飼育されている地域やライフスタイル(散歩コース、他の犬との接触頻度など)によって感染リスクが異なる病気を予防するためのワクチンです。

獣医師と相談の上、必要性を判断して接種します。


  • 犬パラインフルエンザウイルス感染症

コアワクチンのアデノウイルスと同様、「ケンネルコフ」の原因となる呼吸器感染症です。


  • 犬レプトスピラ感染症

ネズミの尿などで汚染された水や土壌から感染し、発熱、黄疸、腎不全などを引き起こします。人にも感染する可能性がある人獣共通感染症です。


  • 犬コロナウイルス感染症

軽い下痢や嘔吐を引き起こす腸炎の原因となります。ただし、人間の新型コロナウイルス(COVID-19)とは異なるものです。


混合ワクチンの種類別値段の比較表


混合ワクチンは、上記のコアワクチンとノンコアワクチンを組み合わせたものです。

何種類の病気を予防できるかによって「3種混合」「5種混合」などと呼ばれます。

種類が多いほど予防できる病気も増えますが、その分費用も高くなる傾向があります。


以下は、一般的な混合ワクチンの種類と値段の目安です。

 ワクチンの種類

予防できる主な病気

値段の目安(1回あたり)

2種・3種混合

コアワクチン(ジステンパー、パルボ、アデノウイルス)

5,000円~7,000円

5種・6種混合

コアワクチン+パラインフルエンザ、レプトスピラ(1~2種類)など

7,000円~9,000円

8種以上混合

5種・6種の内容+複数のレプトスピラなど

8,000円~12,000円

※上記はあくまで目安です。費用は動物病院によって異なります。

※初年度は複数回の接種が必要なため、総額はこれより高くなります。


狂犬病ワクチンの値段


狂犬病の予防接種は、法律で定められた義務です。

費用は、注射料金と「注射済票」の交付手数料で構成されます。


  • 注射料金

2,500円~4,000円程度(動物病院によって異なる)


  • 注射済票交付手数料

550円程度(自治体によって異なる)


合計で1回あたり約3,000円~4,500円が目安となります。



混合ワクチンは何種がいい?選び方の基準


「うちの子には、何種の混合ワクチンを接種すればいいの?」これは多くの飼い主さんが悩むポイントです。

ワクチンの種類は、愛犬の健康状態やライフスタイルに合わせて選ぶのが基本です。


5種・6種混合ワクチンが推奨される犬


主に室内で過ごし、散歩も整備された公園や住宅街が中心の犬には、5種や6種の混合ワクチンが一般的です。


【推奨されるライフスタイル】


  • ほとんどの時間を室内で過ごす

  • 散歩は都市部の公園や舗装された道がメイン

  • ドッグランやペットホテルはあまり利用しない

  • 山や川など、自然豊かな場所へ出かける機会が少ない


これらの犬は、コアワクチンと、他の犬との接触でうつりやすいパラインフルエンザなどをカバーする5種・6種混合ワクチンで、多くの感染症リスクに対応できます。


8種以上の混合ワクチンが推奨される犬


山や川、草むらなど自然の多い場所へよく出かける犬や、他の犬と頻繁に交流する犬には、8種以上の混合ワクチンが推奨されることがあります。


【推奨されるライフスタイル】

  • キャンプやハイキングなど、アウトドア活動を一緒に楽しむ

  • 家の周りに田畑や山林、川などがある

  • ドッグランやドッグカフェを頻繁に利用する

  • 多頭飼育の環境にいる


これらの犬は、ネズミの尿などを介して感染するレプトスピラ症のリスクが高まるため、複数の型のレプトスピラに対応できる8種以上のワクチンが選択肢となります。


獣医師と相談して最適な種類を決める


最終的にどのワクチンを接種するかは、必ず獣医師と相談して決めましょう。

専門家である獣医師は、お住まいの地域での感染症の流行状況や、愛犬の年齢、健康状態、ライフスタイルを総合的に判断し、最適なワクチンを提案してくれます。


「インターネットで見たから8種がいい」と自己判断せず、愛犬の情報を正確に伝えた上で、プロのアドバイスを受けることが最も重要です。



犬のワクチン接種スケジュールと間隔


犬のワクチンは、適切な時期に適切な回数を接種することで、最も効果的に免疫を獲得できます。

特に子犬の時期のスケジュールは非常に重要です。


子犬の接種スケジュール例(1年目)


子犬は、母親の母乳から受け継いだ「移行抗体」によって感染症から守られていますが、この抗体は時間とともに減少していきます。

移行抗体が残っているとワクチンの効果が十分に得られないため、複数回に分けて接種するのが一般的です。


以下は、世界小動物獣医師会(WSAVA)のガイドラインなどを参考にした一般的なスケジュール例です。


1回目接種(生後6~8週齢)


生後2ヶ月頃に、最初の混合ワクチンを接種します。

この時期はまだ母親からの免疫が残っている可能性があるため、本格的な免疫をつけるための準備段階と位置づけられます。


2回目接種(生後9~12週齢)


1回目の接種から約3~4週間後に、2回目の接種を行います。

この頃になると母親からの免疫もかなり減少しているため、ワクチンによる免疫が作られ始めます。狂犬病ワクチンは、この時期以降(生後91日齢以上)に接種します。


3回目接種(生後12週齢以降)


2回目の接種からさらに3~4週間後、生後12週齢(約3ヶ月)以降に3回目の接種を行います。 母親からの免疫がほぼなくなるこの時期に最終接種を行うことで、確実に免疫を獲得することを目指します。動物病院によっては、この3回目の接種から1年後の追加接種を推奨する場合もあります。


成犬の追加接種スケジュール(2年目以降)


子犬の時に確立した免疫を維持するため、成犬になってからも定期的な追加接種が必要です。


一般的には、最後のワクチン接種から1年後にまず追加接種を行い、その後は1年~3年に1回のペースで混合ワクチンの追加接種を行います。

狂犬病ワクチンは、法律により年に1回の接種が義務付けられています。


どのワクチンをどのくらいの頻度で接種するかは、ワクチンの種類や個々の免疫力によって異なるため、必ず獣医師の指示に従ってください。


ワクチン接種の間隔に関する注意点


ワクチン接種の間隔は、短すぎても長すぎてもいけません。

間隔が短すぎると、前に接種したワクチンの効果を妨げてしまう「干渉」が起こる可能性があります。

逆に間隔が空きすぎると、免疫がつく前に感染症にかかってしまうリスクが高まります。


獣医師から指示されたスケジュールをきちんと守ることが、愛犬の健康を守る上で非常に重要です。



法律で義務化された狂犬病予防接種


混合ワクチンが任意であるのに対し、狂犬病の予防接種は「狂犬病予防法」という法律によってすべての犬の飼い主に義務付けられています。


狂犬病予防法に基づく飼い主の義務


狂犬病予防法では、生後91日以上の犬の飼い主に対して、以下の2点を義務付けています。


  1. 犬の登録(生涯に1回)

    お住まいの市区町村に、犬を飼い始めたことを届け出る必要があります。


  2. 狂犬病予防注射(年に1回)

    毎年1回、狂犬病の予防注射を受けさせなければなりません。


狂犬病は発症するとほぼ100%死亡する恐ろしい病気で、人にも感染します。

日本国内では長年発生していませんが、世界では今も多くの人が命を落としています。

万が一の侵入に備えるため、この法律は非常に重要な役割を担っています。(参考:厚生労働省「狂犬病について」)


接種時期と市町村への登録手続き


  • 接種時期

生後91日齢になった犬は、30日以内に1回目の接種を受ける必要があります。その後は、毎年1回の追加接種が義務となります。多くの自治体では、春(4月~6月)に集合注射を実施しています。


  • 登録手続き

犬を飼い始めたら、お住まいの市区町村の役所(保健所や生活衛生課など)で登録手続きを行います。手続きをすると、犬の戸籍のようなものである「鑑札(かんさつ)」が交付されます。費用は3,000円程度が一般的です。


注射済票と鑑札の役割


  • 鑑札

犬の登録が完了していることを証明する札です。生涯有効で、犬の首輪などに装着することが義務付けられています。万が一迷子になっても、鑑札の番号から飼い主を特定できます。


  • 注射済票

その年度の狂犬病予防注射を接種済みであることを証明する札です。毎年新しいものが交付され、これも鑑札と一緒に装着する義務があります。


鑑札と注射済票は、愛犬が法的な義務を果たしている証であり、迷子札としての役割も果たす大切なものです。

必ず首輪につけておきましょう。



ワクチンの副反応と接種前後の注意点


ワクチンは安全性が高いものですが、体内に異物を入れるため、まれに副反応が起こることがあります。

過度に心配する必要はありませんが、飼い主として正しい知識を持ち、万が一の際に備えておくことが大切です。


接種前に確認すべき愛犬の体調


ワクチンは、必ず愛犬の体調が良い日に接種しましょう。

少しでも普段と違う様子があれば、無理せず接種を延期し、獣医師に相談してください。


【接種前のチェックリスト】

  • 元気や食欲はいつも通りか?

  • 下痢や嘔吐をしていないか?

  • 咳やくしゃみ、鼻水は出ていないか?

  • 体を痒がったり、皮膚に異常はないか?

  • 過去にワクチンの副反応が出たことはないか?


注意すべき副反応の症状と対処法


副反応の多くは、接種後数時間~1日以内に現れる一過性のもので、自然に回復します。

しかし、中には緊急の対応が必要なケースもあります。


【比較的よく見られる症状(様子を見る)】


  • 元気がなくなる、ぐったりする

  • 食欲が落ちる

  • 注射した部位を痛がる、腫れる

  • 微熱が出る

  • 震えている


これらの症状が24時間以上続く場合は、動物病院に連絡しましょう。


【すぐに動物病院へ連絡すべき重篤な症状(アナフィラキシーショック)】


  • 顔やまぶた、口周りがパンパンに腫れる(ムーンフェイス)

  • 全身にじんましんや強いかゆみが出る

  • 呼吸が速くなる、苦しそうにする

  • ぐったりして意識が朦朧とする

  • 嘔吐や下痢を繰り返す


これらの症状は命に関わる危険なサインです。

接種後30分以内に起こることが多いため、接種後はしばらく病院内かその近くで様子を見ると安心です。


接種後の過ごし方(散歩・シャンプー)


ワクチン接種当日は、激しい運動やシャンプーは避け、安静に過ごさせましょう。

内で免疫が作られている最中のため、体に負担をかける行動は控えるのが基本です。


  • 散歩

接種当日は軽い排泄をさせる程度にとどめ、長時間の散歩やドッグランでの激しい運動は避けてください。


  • シャンプー

シャンプーは体力を消耗させ、体温の変化も大きいため、接種後2~3日は控えるのが一般的です。獣医師によっては1週間程度控えるよう指示する場合もあります。


  • その他

他の犬との過度な接触も避け、家でゆっくりとリラックスさせてあげましょう。



犬のワクチンに関するよくある質問


最後に、飼い主さんからよく寄せられるワクチンに関する質問にお答えします。


ワクチン証明書はどんな時に必要?

「狂犬病予防注射済証」や「混合ワクチン接種証明書」は、様々な施設やサービスを利用する際に提示を求められます。


  • ドッグラン

  • ペットホテル、ペットシッター

  • トリミングサロン

  • しつけ教室、ドッグスクール

  • ペットと泊まれる宿泊施設

  • ドッグカフェ(店舗による)


これらの証明書は、いつでも提示できるよう大切に保管しておきましょう。


高齢犬(シニア犬)にもワクチンは必要?


高齢犬(シニア犬)であっても、感染症のリスクがなくなるわけではないため、基本的にはワクチン接種が推奨されます。

ただし、年齢や健康状態(持病の有無など)によっては、接種による体への負担がメリットを上回る可能性も考えられます。


接種の頻度を減らしたり、抗体価検査の結果を見て判断したりすることもあります。

必ず獣医師とよく相談し、その子にとって最善の方法を選択しましょう。


保護犬を譲り受けた場合のワクチンは?


保護犬を譲り受けた場合、まずは接種歴を確認することが重要です。

保護団体や前の飼い主から接種証明書を受け取っている場合は、そのスケジュールを引き継ぎます。


接種歴が全く不明な場合は、成犬であっても子犬と同様のプログラムで接種を開始するか、抗体価検査で免疫の有無を確認してから必要なワクチンを接種するのが一般的です。こちらも獣医師の判断を仰ぎましょう。


ワクチン抗体価検査とは?


ワクチン抗体価検査とは、血液検査によって、特定の感染症に対する免疫(抗体)が体内に十分にあるかどうかを調べる検査です。


この検査で十分な抗体があると判断されれば、その年の追加接種を見送るという選択肢も出てきます。

ワクチンによる副反応が心配な場合や、高齢、持病などで接種に不安がある場合に有効な手段です。

ただし、検査費用がワクチン接種費用よりも高額になることが多く、すべての病気の抗体を調べられるわけではない点に注意が必要です。

興味がある場合は、かかりつけの獣医師に相談してみてください。



まとめ


今回は、犬のワクチンについて、種類や値段、スケジュール、副反応など、飼い主さんが知っておくべき基本情報を網羅的に解説しました。


  • ワクチンの重要性

致死的な感染症から愛犬を守り、社会への感染拡大を防ぐために不可欠です。


  • ワクチンの種類

法律で義務の「狂犬病ワクチン」と、生活環境で選ぶ「混合ワクチン」があります。


  • 混合ワクチンの選び方

室内飼い中心なら5〜6種、アウトドア派なら8種以上が目安ですが、最終的には獣医師との相談が最も重要です。


  • スケジュール

子犬は生後2ヶ月頃から複数回、成犬は年に1回(または数年に1回)の追加接種が基本です。


  • 副反応と注意点

接種後は安静にし、体調の変化に注意しましょう。異変があればすぐに動物病院へ連絡してください。


ワクチンは、愛犬の健やかな一生を支えるための、飼い主からの最初のプレゼントです。

この記事で得た知識をもとに、ぜひかかりつけの獣医師としっかりコミュニケーションを取り、あなたの愛犬に最適な予防プランを立ててあげてください。



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