じゃがいもの植え付け完全ガイド|時期から収穫まで失敗しない育て方
- 3月20日
- 読了時間: 13分

「自分で育てた採れたての野菜を食べてみたい!」そんな思いから家庭菜園に挑戦する方に、じゃがいもはぴったりの野菜です。
カレーや肉じゃが、ポテトサラダなど、様々な料理で大活躍するじゃがいもは、実は初心者でも比較的簡単に育てることができます。
しかし、いざ始めようとすると、「いつ植えるのがベストなの?」「植え付けの深さや間隔は?」「土作りはどうすればいい?」など、たくさんの疑問が湧いてきますよね。
この記事では、そんな家庭菜園初心者のあなたのために、じゃがいもの植え付け準備から、育て方、収穫、保存方法までの一連の流れを、写真やイラストがなくても分かるように丁寧に解説します。
この記事を読めば、失敗しないじゃがいも栽培のコツがすべて分かり、今年の食卓を自分で育てたホクホクのじゃがいもで彩ることができます。
さあ、一緒にじゃがいも栽培を始めましょう!
じゃがいもの植え付け時期はいつ?春植えと秋植え
じゃがいも栽培は、年に2回チャンスがあります。
それが「春植え」と「秋植え」です。
それぞれに特徴があるため、ご自身の環境や目的に合わせて選ぶのがおすすめです。
春と秋の2シーズンが栽培のチャンスで、それぞれ収穫できる芋の食感や栽培のポイントが異なります。
春植えじゃがいもの時期(2月~4月)
春植えは、2月下旬から4月上旬頃に植え付けを行い、6月~7月頃に収穫する作型です。
気温がだんだん上がっていく時期に生育するため、芋が大きく育ちやすく、収穫量が多くなるのが最大の特徴です。
たくさんのじゃがいもを収穫したい方や、初めてじゃがいも栽培に挑戦する方には、管理がしやすい春植えが特におすすめです。
秋植えじゃがいもの時期(8月~9月)
秋植えは、8月下旬から9月中旬頃に植え付けを行い、11月~12月頃に収穫する作型です。
春植えに比べて栽培期間が短いのが特徴です。
涼しくなるにつれて芋が育つため、デンプン質が豊富でホクホクとした食感の美味しいじゃがいもが収穫しやすいと言われています。
ただし、植え付け時期がまだ暑い夏だったり、冬の寒さが厳しくなる前に収穫を終える必要があったりと、春植えよりは少しだけ管理に注意が必要です。
地域別(関東・関西など)の植え付け時期目安
じゃがいもの植え付け時期は、お住まいの地域の気候によって変わります。
霜が降りる心配がなくなった頃に植え付けるのが基本です。
以下に、春植えの一般的な目安をまとめました。
北海道・東北
4月下旬~5月中旬
関東・甲信越
2月下旬~3月下旬
東海・北陸
3月上旬~3月下旬
関西・中国・四国
2月下旬~3月中旬
九州・沖縄
2月中旬~3月上旬
※秋植えの場合は、この目安よりも早く、8月下旬から9月にかけて植え付けます。
あくまで目安ですので、お住まいの地域の気候や、その年の天候に合わせて調整してください。
植え付け前の準備!種芋の選び方と土作り
じゃがいも栽培の成功は、植え付け前の準備で8割決まると言っても過言ではありません。ここでは、良い種芋の選び方から、畑やプランターの土作りまで、重要な準備作業を一つずつ解説します。
栽培に必要な道具と資材リスト
まずは、じゃがいも栽培に必要なものを揃えましょう。
種芋
必ず園芸店やホームセンターで販売されている「検査合格証」の付いたものを選びましょう。
肥料
堆肥や、じゃがいも専用の化成肥料など。
クワ・スコップ
土を耕したり、畝を作ったり、収穫したりする際に使います。
ジョウロ
プランター栽培での水やりや、畑が乾燥した際に使います。
園芸用ハサミ
芽かきなどで使用します。
(プランター栽培の場合)プランター、鉢底石、野菜用培養土
深さが30cm以上ある大型のプランターがおすすめです。
種芋の準備手順
美味しいじゃがいもをたくさん収穫するためには、植え付ける前の種芋の準備が非常に重要です。

良い種芋の選び方
最も大切なのは、ウイルス病などにかかっていない健康な種芋を選ぶことです。
スーパーで売られている食用のじゃがいもではなく、必ず園芸店などで「種芋」として売られているものを購入してください。
病気や傷がない
表面に黒いアザやカビ、傷がないか確認しましょう。
皮にシワがなく、硬い
ぶよぶよしていたり、シワが寄っていたりするものは避け、固く締まったものを選びます。
芽が少しだけ出ている
芽が出すぎているものは避け、小さな芽がいくつか出ている状態が理想です。

種芋の切り方と消毒
購入した種芋が小さい場合はそのまま植えられますが、大きいものは植え付けの1~2週間前に切り分けます。
1片が30g~40gになるように切る
卵のMサイズくらいの大きさが目安です。芽が均等につくように、芋の「へそ(親芋と繋がっていた部分)」から頂点に向かって縦に切ります。
切り口を消毒する
切り口から病原菌が入るのを防ぐため、園芸店で販売されている「草木灰(そうもくばい)」を切り口にまんべんなく付けます。草木灰がない場合は、風通しの良い日陰で切り口を2~3日乾燥させてもOKです。
浴光育芽で丈夫な芽を出す
浴光育芽(よっこういくが)とは、植え付け前に種芋を日光に当てて、丈夫で太い芽を育てる作業のことです。
植え付けの2~3週間前から、直射日光の当たらない、明るく風通しの良い場所に種芋を並べます。こうすることで、緑色がかった固くて短い芽が育ち、植え付け後の生育が揃い、病気にも強くなります。
畑の土作りと元肥
じゃがいもは、水はけが良く、少し酸性の土壌を好みます。植え付けの2週間前から土作りを始めましょう。
酸度調整と肥料の施し方
酸度調整(植え付け2週間前)
日本の土壌は酸性に傾きがちですが、じゃがいもはアルカリ性に傾くと「そうか病」という病気にかかりやすくなります。そのため、石灰を入れすぎないことが重要です。もし前作で石灰を多く使った場合は、今回は入れなくても構いません。酸度調整が必要な場合は、苦土石灰を1㎡あたり100gほどまき、よく耕します。
元肥(植え付け1週間前)
堆肥(1㎡あたり2kg)と、じゃがいも用の化成肥料(1㎡あたり100g)を畑全体にまき、再度よく耕します。肥料が種芋に直接触れると芋が傷む原因になるため、土としっかり混ぜ込むのがポイントです。
畝の作り方(畝幅と高さ)
畝(うね)とは、作物を植えるために土を盛り上げた場所のことです。
水はけを良くし、根が伸びるスペースを確保する役割があります。
クワを使って、幅約60cm、高さ10~15cmの畝を作りましょう。
後の土寄せ作業で土を使うため、畝と畝の間は広めに取っておくと作業がしやすくなります。
プランター栽培の用土準備
ベランダなどで手軽に楽しみたい場合は、プランター栽培がおすすめです。
市販の「野菜用培養土」を使えば、土作りの手間が省けて非常に便利です。
プランターの底が見えなくなるくらいに「鉢底石」を敷き、水はけを良くしてから培養土を入れましょう。
この時、後の土寄せ(増し土)のために、土はプランターの半分くらいの高さまでにしておくのがコツです。
じゃがいもの植え付け方法【畑・プランター別】
準備が整ったら、いよいよ植え付けです。畑とプランター、それぞれの具体的な手順を解説します。

【畑】植え付けの深さと間隔
畑にじゃがいもを植える際の基本的な目安は以下の通りです。
【植え付けの深さ】
10cm程度
【株間(種芋と種芋の間隔)】
30cm程度
この深さと間隔を守ることで、芋が十分に育つスペースを確保でき、収穫量アップに繋がります。
【畑】植え付けの具体的な手順
溝を掘る
作った畝の中央に、深さ10cmほどの溝を掘ります。
種芋を置く
溝の中に、株間が30cmになるように種芋を置いていきます。この時、種芋の切り口を下向きにするのがポイントです。
肥料を置く(間肥)
種芋と種芋の間に、化成肥料をひとつまみずつ置きます。肥料が直接種芋に触れないように注意してください。
土をかぶせる(覆土)
掘った溝を埋めるように、種芋の上に土を8~10cmほどかぶせ、クワの背などで軽く押さえて平らにならします。
【プランター】植え付けの具体的な手順

深さ30cm以上、容量20L以上の大型プランターなら、種芋を2~3個植えられます。
土と種芋を入れる
プランターの半分まで入れた培養土の上に、種芋を置きます。この時も切り口は下向きです。
土をかぶせる
種芋の上に、5~7cmほどの厚さで培養土をかぶせます。
水やりをする
植え付け後は、プランターの底から水が流れ出るまでたっぷりと水を与えます。
マルチシートの活用法
マルチシートとは、畝を覆う黒いビニールフィルムのことです。
必須ではありませんが、使うと多くのメリットがあります。
【地温の上昇】
太陽の熱を吸収し、土を温めることで初期生育を促進します。
【雑草の抑制】
光を遮るため、面倒な雑草取りの手間が大幅に減ります。
【土の乾燥防止】
水分の蒸発を防ぎ、適度な湿度を保ちます。
マルチシートを使う場合は、畝を立てた後にシートを張り、株間30cm間隔で穴を開けて種芋を植え付けます。
植え付け後の育て方と管理
植え付けが終わっても油断は禁物です。美味しいじゃがいもをたくさん収穫するために、収穫までの間にいくつか重要なお手入れがあります。

芽かきの時期と方法
植え付けからしばらくすると、たくさんの芽が出てきます。
芽かきとは、その中から元気な芽だけを残し、他の芽を取り除く作業です。
芽かきをすることで、栄養が分散するのを防ぎ、残した芽に集中させることで芋が大きく育ちます。
【時期】
芽が10cmくらいに伸びた頃
【方法】
太くて元気の良い芽を1~2本残します。
残す芽の根元をしっかり押さえ、引き抜く芽を根元からゆっくりと引き抜きます。
この時、種芋が動かないように注意しましょう。
追肥と土寄せのタイミング(1回目・2回目)
じゃがいもが大きくなるためには、追加の栄養(追肥)と、芋が土の外に出て緑化するのを防ぐための土寄せが欠かせません。
この作業はセットで2回行います。
【1回目の追肥・土寄せ】
芽かきと同じタイミングで行います。株元に化成肥料をぱらぱらとまき、株元に土を5cmほど寄せます。
【2回目の追肥・土寄せ】
花のつぼみがつき始めた頃が目安です。1回目と同様に追肥をし、今度は芋が隠れるようにしっかりと土を寄せ、畝を高くします。
水やりの頻度と注意点
【畑栽培】
基本的に降雨だけで十分で、水やりは必要ありません。ただし、晴天が続き、土がカラカラに乾いている場合は、朝夕の涼しい時間帯に水やりをしましょう。
【プランター栽培】
土の表面が乾いたら、プランターの底から水が流れ出るまでたっぷりと与えるのが基本です。水のやりすぎは根腐れの原因になるため、土の状態をよく見て判断してください。
注意すべき病気と害虫対策
じゃがいもは病害虫に比較的強い野菜ですが、注意すべきものもあります。
【そうか病】
芋の表面にコルク状のかさぶたができる病気。アルカリ性の土壌で発生しやすいため、石灰のやりすぎに注意します。
【疫病(えきびょう)】
葉に黒い斑点ができ、やがて枯れてしまう病気。雨が続いて湿度が高い時期に発生しやすいため、風通しを良くすることが予防に繋がります。
【テントウムシダマシ】
益虫のテントウムシと違い、葉や実を網目状に食害する害虫です。見つけ次第、捕殺しましょう。
収穫時期の目安と方法
栽培の最後の楽しみ、収穫です。
適切なタイミングで収穫し、美味しくいただきましょう。

収穫時期を見極めるサイン
じゃがいもの収穫時期は、地上部の様子で判断できます。
春植え
6月~7月頃
秋植え
11月~12月頃
共通の収穫サインは、葉や茎が黄色く枯れ始めた頃です。
全体の7~8割が枯れてきたら収穫の適期です。
試しに1株掘ってみて、芋の大きさを確認するのも良いでしょう。
収穫の手順と注意点
収穫は、晴れた日が2~3日続いた後、土がよく乾いている日に行うのがベストです。
株元から15~20cmほど離れた場所に、スコップやクワを差し込みます。
芋を傷つけないように注意しながら、土ごとゆっくりと掘り起こします。
土の中に芋が残っていないか、手で探ってすべて収穫します。
収穫後の乾燥と保存方法
収穫したてのじゃがいもは、皮が柔らかく傷つきやすい状態です。
まず、土を軽く手で払い落とし、風通しの良い日陰で半日~1日ほど表面を乾燥させます。水洗いは保存性が悪くなるので、食べる直前に行いましょう。
保存する際は、光が当たらない、涼しくて風通しの良い場所に置きます。
段ボール箱に新聞紙を敷いて入れるのがおすすめです。
光に当たると芽が出やすくなったり、皮が緑色になってソラニンという有毒物質が生成されたりするので注意してください。
じゃがいも栽培のよくある質問
最後に、じゃがいも栽培で初心者がつまずきやすいポイントをQ&A形式でまとめました。
スーパーのじゃがいもは種芋に使える?
答えは「No」です。
スーパーで売られている食用のじゃがいもは、ウイルス病に感染している可能性があったり、芽が出ないように処理されていたりすることがあります。
必ず、園芸店やホームセンターで販売されている「検査済」の種芋を使用してください。
芽が出ない時の原因と対策
「植えたのに全然芽が出てこない…」という場合は、以下のような原因が考えられます。
種芋が土の中で腐ってしまった(水のやりすぎ、水はけが悪い)
植え付けた時期が早すぎて、地温が低すぎた
植え付けた深さが深すぎた
対策としては、水はけの良い土作りを心がけ、適切な時期と深さを守って植え付けることが重要です。
プランターでも育てられる?
はい、十分に育てられます。
ポイントは、深さが30cm以上ある大型のプランターを選ぶことです。
また、植え付けの際に土を満杯にせず、土寄せ(増し土)ができるスペースを確保しておくことが、たくさんの芋を収穫するコツです。
連作障害を避けるには?
連作障害とは、同じ場所で同じ科の野菜を続けて栽培すると、土の中の栄養バランスが崩れたり、病原菌が増えたりして生育が悪くなる現象です。
じゃがいもはナス科の野菜です。
一度じゃがいもを栽培した場所では、次にナス科(トマト、ナス、ピーマンなど)の野菜を植えるまで、3~4年は間隔を空けるようにしましょう。
まとめ
じゃがいもの植え付けから収穫までの流れをご紹介しました。最後に、失敗しないための重要なポイントを振り返りましょう。
【時期を守る】
春植え(2月~4月)か秋植え(8月~9月)か、地域に合った時期に植え付ける。
【健康な種芋を使う】
必ず園芸用の種芋を使い、浴光育芽で丈夫な芽を育てる。
【土作りを丁寧に行う】
水はけの良い土を作り、肥料は種芋に直接触れないようにする。
【植え付け後の管理を怠らない】
芽かき、追肥・土寄せを適切なタイミングで行う。
【収穫のサインを見逃さない】
葉や茎が黄色く枯れてきたら収穫の合図。
たくさんの手順があって難しく感じたかもしれませんが、一つひとつの作業は決して複雑ではありません。
自分で土に触れ、育てたじゃがいもを収穫し、味わう喜びは格別です。
この記事を参考に、ぜひ家庭菜園でのじゃがいも栽培にチャレンジしてみてください。
きっと、あなたの食卓に新しい楽しみが加わるはずです。
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